桜咲く春…

この通学路を歩いて3年目。

さすがに見飽きてきた…


でも、今日は違った。
前に男の子が歩いていた。

珍しくない光景かもしれないけど、私は何か感じた。

突然強い風が吹いた。
『わっ…!?』

ふいに男の子が振り返った。

『え………』

男の子はこっちに向かって歩いてきた。

(え、何何何何!?)

「あのさ…その制服、桜ヶ丘高校だよね?道…わかんないんだけど…」

少し照れたように言う彼に、少し笑っちゃった。

『フフッ…いいよっ。一緒に行こ?』

「ありがとう」

クールそうに見える彼の、フワッとした笑顔に何故かキュンとした。


__