無論、そんな事は今の代の鴉天狗である鷹雅は知らない。

雪ん子もまた、己の一族と鴉丸にそんな因縁があった事は知らない。

ただ気になるのは。

「頭…痛いんですか?」

ずっと頭頂部を押さえた鷹雅に、小首を傾げる。

「入学式の時も頭を押さえていましたよね。頭痛がしますか?それとも、さっき転落した時に頭をぶつけたんじゃ?」

転落したのは雪ん子と遭遇してしまった鷹雅の人生である。