反射的に。

鷹雅は頭を押さえた。

頭襟をつけているウイークポイント部分だ。

「あら?」

その山伏のような衣装、その頭を押さえる仕草。

着物姿の少女…雪ん子は、鷹雅を見知っていた。

今年度の入学式の折、雪ん子を見るなり突然逃亡を図った鴉天狗の新1年生がいたのだ。

「確か、鴉丸 鷹雅君」

「あひぃいぃいいぃいっ!」

名前を呼ばれただけなのに、鷹雅、奇声を上げる。