その頃、こはくは遊里捜索の為に学園を西へ東へ。

出産の大事な時期なのに、お疲れ様です。

流石の彼女も、やや息が上がっている。

「そうだっ」

名案を思いついたこはくは、2年の教室へと向かう。

「伊織さん、伊織さんいますかっ?」

「はっ?はいっ!」

突然呼ばれて立ち上がったのは伊織。

彼女は天神学園の放送委員長。

昨年度、1年生にして抜擢された逸材だ。

あがり症だが本番に強く、体育祭や文化祭でのアナウンスの他、天神学園の校内放送『天神アフタヌーン』などで活躍している。