鷹雅をすっかり無視した遊里は、中庭の方へと歩いてきた。

花壇ももう夏の花に変わりつつある。

そんな中庭で。

「ん?」

遊里は水やりをしている、ゆるふわおさげ髪の女子生徒を見つけた。

1年の花織 かおる(はなおり かおる)だ。

「あれぇ?見た事ない人だぁ」

キョトンとするかおる。

「誰ぇ?1年生?」

「うん、今日天神学園に転校してきた、志摩 遊里だよぉ」

笑いかける遊里。

「そっかぁ、ゆうりちゃんかぁ」

ほにゃっと笑ったかおるは。

「お近づきの印に、これどうぞ♪」

花で作ったポプリを遊里にプレゼントした。