暫くの間マリア様の寝顔を眺めていたが、一向に起きる気配がしない。
わたくしはそれでも構わないのだけど、生憎此処は見知らぬ家。
これからの事も話さなければいけないから、もうそろそろ起こさなくてはいけない。
すると、後ろで扉の開く気配がして振り向くと、そこには先程のメイドと男が立っていた。
あれがわたくし達を拾ったこの家の主か。
「.....っん」
「マリア様!?」
ああ、ようやく目を覚ましてくださった。
これでもわたくしはマリア様が目を覚まさないんじゃないかと、不安だったのだ。
まあ、その不安は必要なかったみたいだけれど。
「.....誰じゃ?」
ああ、マリア様。
やはりわたくしもなんですね。
マリア様がわたくしを覚えていなくとも、わたくしはずっとそばに居ます。
それがわたくしの生きる意味ですから。
