美和は赤く敷き詰められたじゅうたんをキョロキョロと歩く

気品のあるボーイが二人の荷物を持ち舞えを歩いている

「志乃~~~!ひゃ~!本当にあんたってお嬢様なんだね!」

緊張した様子で志乃の腕にからみつく美和


~1030~


部屋に案内されると

「もう、ここで大丈夫です」


と慣れた様子でボーイに言うと、そのまま部屋に入る志乃と美和。

その部屋は大きな窓から白銀の世界が広がる、一番眺めの良い部屋だった

「ひゃ~~~~!!すごい!本当にきれい!」

さらに興奮した様子で美和は大きなベットにダイブする


志乃は美和のその様子を見て、ほっとすると、楽しみな気持ちがこみ上げてくる


「ねえ!?電話電話!」

美和は思い立ったように志乃に言う

「えっ!」

「ほら!お父さんに報告してきて!帰ってこいなんて言われたらやだもん!」

志乃は鞄から携帯を取り出すと、液晶にうつる着信履歴を見る


 着信履歴12;20 聡くん


「・・・・・」


「志乃?」


「ごめんっ!美和ちゃんちょっと電話してくるね」


志乃は携帯を握りしめ廊下にでる