「志乃!私が言うとおりに言って」

美和は一生懸命考えてくれた案を教えてくれた

「私のおばあちゃん家が北海道にあるって言うの!それで、おばあちゃん家に会いにいくのについてきてほしいって言われたってのはどう?」

「・・・うん」

志乃はとても不安だった。今まで父にも母にも嘘をついたことがなかったから

「大丈夫だよ!志乃!もうあと数週間で高校も終わりだよ!思い出もなしに志乃はこのまま大学に行くつもり?」

「・・・私・・・行きたいよ」

「私・・・志乃がいつも心のどこかでさびしそうにしているの気がついてた」

美和はどこか、優しい表情で志乃に語りかけた

「どうして?」

「わかるよ!友達だもん!いっつも、私も行きたい!こんなことしたい!って寂しそうな目で見てたよ、志乃は」

志乃は美和の言葉に、涙がとまらなくなってしまった
誰にも気がついてもらえない、心の奥を黙って見ていてくれたんだ・・・と

「ね!志乃!?でも私は本当に志乃が羨ましいんだから・・・かわいくて、優しくて
素直で・・・私には持ってない物たくさんもっているんだよ」

志乃はじめて、美和が言う羨ましいの意味を知った