薄暗い雪道、志乃はなにか悪いことでもしているようなそんな気分だった

「ここ!」

美和が指さした、店は「eight bar」と書かれた、手作り風の看板がさがっている

小さな、店だった

小さな窓からはオレンジ色のあかりがぼんやりと見える

「さっき、一人ですべってる時にね~!ナンパされたの!」

「え?」

美和はワクワクした様子で話す

「そんで、お店やってるから遊び来て~って言われたからさ」

志乃の胸はドキドキしていた

今までの自分の世界ではありえないこと、悪いことをしているそんなはじめてのドキドキ感だった


「美和ちゃん!やめようよ!」

必死で説得するが、志乃の手をひっぱり中にはいろうとする

「志乃!あんたせっかく旅行きたんだよ!自分で飛び込まないと!
しかも、怪我させたくらいで、メソメソメソメソ!これだからお嬢様って言われちゃうんだよ!」

「でもっ・・・美和ちゃん」


強引に手をひっぱり、美和は店の扉を開けた