ゲレンデを降りると、志乃はひどく落ち込んでいた

さっきの人は大丈夫だろうか?

自分のせいで怪我をさせてしまった

美和は途中で合流すると、その落ち込みぶりにかける声もないほどだった

「もう~~、大丈夫だよ!スノボーで衝突!?みたいなのはよくあるのよ」

「うん・・・でも」

志乃の声は相変わらず暗かった

「もうさ~!忘れてさ!パーっとご飯食べに行かない?」
 
「え?」

「ホテルの食事もいいけど、今日は初日だし、外で食べようよ」

美和は、志乃を励ます秘策でもあるかのように微笑んだ

「え?うっうん・・・」

志乃は美和の先の見えない行動に、戸惑いを感じていた