鎖~kusari~

「これは…初めまして。一ノ瀬桜花学園理事の、一ノ瀬春馬です」

椅子に座っていた男性が私の前まで来て手を差し伸べた。
その理事と名乗った男性はとても若く、歳は30手前に見える。
お堅い理事のイメージとは違い、シルバーのネックレスをしていた。
もう1人のスーツの男性も挨拶してきた。

「初めまして。1年3組担任の一ノ瀬遥二(ようじ)です」

白に近い銀髪で、メタリックフレームの眼鏡をかけていた。
物腰の柔らかそうな男性だ。
彼も手を差し伸べてきた。この先生も若く20代半ばだろうか。

挨拶を済ませると、ソファーをすすめられて理事長と先生の向かいに座った。
理事長は私の方に向き、

「会った早々にすみませんが、貴女に紹介したい子達がいまして…しばらくお待ちいただけますか?」

それほど経たずに理事長室のドアがノックされた。
一ノ瀬桜花学園の制服を着た生徒達が4人入ってきた。
男の子が3人、女の子が1人。

「それでは…揃ったところで話を始めましょうか……」

理事長ではなく遥二先生が話し始めた。