鎖~kusari~

『本校の実習にあたり、勝手ながら次の事を条件とする。
い)実習生は雲雀えりか  様のみとする。
ろ)本校での実習期間は  事情により未定とす  る。
は)実習内容はあるクラ  スの副担任とする。に)交通の面を考慮し、  期間中本校の職員宿  舎を利用。
※実習ではありますが、実際に働いていただきますので、通常の給料を出させていただきます。

上記の条件のもと、雲雀様には是非本校の実習に来ていただく事を願っています。

一ノ瀬桜花学園高等部・理事長 一ノ瀬春馬』

実習期間未定って…
助手さんは無理も無い……と言った表情で私を見る。

「今回の事は異例だからなね、うちの理事長とも話し合った結果…雲雀さんが一ノ瀬桜花(いちのせおうか)に行くのだったら、単位取れるように配慮してくれるみたいだよ」

不安は沢山あるけど、単位の心配をしなくていいのはありがたい。

私はしばらく資料とにらめっこをして、何度か頷いた。

「分かりました。私、この学校にお世話になります」



錆びた歯車は確実に動き始めていた…―。