鎖~kusari~

大きな封筒の中から資料を取り出し、私に見えるように置いた。

「実習先…まだ決まっていないよね?」

先生は私に確認するように問いかけ、私が頷くとニコッと笑った。

「実はね、教職実習の依頼が来ていてね…」

「えっ!本当ですか?」

「ここ…よく見てごらん」

先生が指さした資料に目をやると、実習願い希望生徒【雲雀えりか】と手書きで書かれていた。

「えっ?どういうことですか?」

私は戸惑っていた。
だって、実習先が来てほしい生徒を指名する…なんてこと…あるわけが無いからだ。

「まぁ、戸惑うのも無理はないね…前代未聞だもの、最初から指名だなんてね」

「でもね、雲雀さん……」

助手さんが口を開いた。

「この指名してきた学校…結構有名な私立校てね、はっきり言ってチャンスだと思うの」

まぁ、今の私には願ってもないチャンスだ。

「…でも、少しばかり条件があるみたい……」

「条件…ですか?」

すると、助手さんは資料をめくり私に見せた。