鎖～kusari～

「えっ…あの…」

私が戸惑って居るのを理事は察した。

「あー…。俺の口調？しゃべりかた？…敬語は仕事用。ほら俺、理事だし。えらいし」

「なんか…仕事との理事のギャップが…」

「んー…そうか？…あ、あと理事は無しな。俺にも名前があるわけ」

「でも、名前だけとかで呼ぶわけにはいきません。…あ、それては…春馬理事で…」

「春馬理事ね…まっ、いいか。…で、俺の問いかけに答えてくれる？1日目の感想ぉ」

春馬理事はいっきに烏龍茶を飲み干し、新たに注文した。

「遥二先生の授業…勉強になりました。指導の仕方がとてもお上手で……でも…」

遥二先生の事を話していると、あの一瞬だけ見せた冷たい表情。
そして、蓮くんの発言を思い出した。

「勉強になりました……ねっ…。でも…？」

春馬理事は頬づえをつき、ニヤリとした。

「……ただ、どうやら蓮くんは私の事が嫌いなようで…。あと、その……遥二先生の…」

「先生…朝話したよな七つの大罪について」

「はい…」