鎖~kusari~

すると、今まで微笑んでいた遥二先生の表情は変わった。

「私は…優しくなんかありませんよ?」

と冷たく言い放たれてしまった。

「遥二先生?」

遥二先生は一瞬冷たい表情をしただけで、すぐに元の穏やかな顔に戻った。


あまりにも一瞬の出来事だった。


「何でもありませんよ。今日は疲れたでしょう…早いですが、初日というのもありますし…もう終わりにしましょう」

私は実習記録を書き上げ終わりにした。






学校を出ると後ろから不意に呼び止められた。

「理事!」

理事の足下には、沢山の吸い殻が散らばっていた。

「このあとお食事でも如何ですか?雲雀先生のプチ歓迎会として…」


待っててくれただろう理事に断ることは出来ないので、喜んで誘いを受けることにした。
私達は理事の車でオススメのお店へ向かった。



着いたお店は理事曰わく“少しおしゃれな居酒屋さん” 。
適当に注文をして、理事と私は烏龍茶で乾杯をした。

「ところで、雲雀先生。1日目どう?疲れた?」