鎖~kusari~



(うわっ、広っ!…ここが図書館なんだぁ~)

幸いなことに、校内図が沢山張られてあり順調に歩き回る事が出来た。

次はどこに行こうか迷っていると、図書館から一ノ瀬の子が出てきた。
手には何冊か本が持たれてあった。

「あれは…蓮くん」

蓮くんは私に気が付いた。

「こんにちわ蓮くん」

「………」

「蓮くん?」

「俺はお前を信用した訳じゃない」

私を睨んでそれだけ言うと去ってしまった。

蓮くんはどうやら警戒しているみたいだ…。



私はきりの良いところで職員室に戻った。
それからチャイムが鳴り、5限目の授業が始まる。


…………



平常通り授業が終わり、職員室に戻って実習記録を書いていると遥二先生が感想を聞いてきた。

「どうですか?雲雀先生。1日目が終わりましたが…」

「沢山勉強になりました。遥二先生の授業は丁寧で分かりやすくて…私も生徒に混じって勉強してしまいました」

「そうですか、それはよかった…」

「それに遥二先生は優しくて…」