鎖～kusari～

「まずは、ようこそ。一ノ瀬桜花学園へ。今ここに集めた人間は、一ノ瀬家の者です。まぁ、本家の者と分家の者が居ますが……。それでは紹介を…右から…」

遥二先生は、私から見て一番右にいる男の子を指差した。

「彼は、一ノ瀬家の三男。一ノ瀬時雨（しぐれ）。学校で一番の成績です。三男ですが、今は彼が一ノ瀬家を継ぐ事になっています」

時雨くんは無表情で私に頭を下げた。

「その隣が本家の四男、一ノ瀬蓮（れん）」

蓮くんも私に頭を下げた。でも…睨まれた気がした……。

「次に分家の長男、九条凛（くじょう りん）。元は本家の人間で、一ノ瀬家の末っ子でした。しかし、分家に男の子が産まれず凜に養子として行ってもらったんです」

凜くんは舐めかけの棒付き飴を手に持ち、人懐っこい笑顔を浮かべて頭を下げた。

「そして分家の長女、九条鈴音（すずね）」

お姫様みたいな巻いた髪を揺らしながら、鈴音ちゃんも頭を下げた。

「彼等は皆この学校の1年生です。あっ、あとこの理事が一ノ瀬家の長男です。最後に私は一ノ瀬家の次男になります」