「えと、その……」



訊きたいことは数えきれないほどある。



「えーと、その、」



でも、伝えたい言葉はただ1つだけ。



「あの、繭?」



ロッカーから出て、一歩近づいた俺は、相変わらずポカンとしたままの繭の手を取り、抱き寄せた。



「繭。俺、繭のこと…」



「きゃっ、」



「きゃ?」



「キャァァァァァァーーーーー!!!」



「ぐふっ!」



でも、この繭はやっぱり俺の知ってる繭じゃなかった。