★ 理想のコイビト ★

ヤバい。このまま蹴られ続けたら間違いなくバレる。



叫ばれ、パクられ…謝るどころか、平手打ち…いや、回し蹴りのオマケ付きでフラれちまう。



神様、仏様、イエス様!!いやもう、誰でもいいから助けてぇぇー!!



「まーゆ!」



「あっ…」



「まあまあ、落ち着きなって。」



でも、神様は今度こそ俺らを見放さなかったらしい。



「愛ちゃん…」



「可哀想でしょ、ロッカー。」



「だって…」



「だってじゃない!壊れたらどーすんのよ!」



「……ゴメン。」



とりあえずひと安心。愛子ちゃん、マジ女神!!



突然の愛子ちゃんの出現に落ち着きを取り戻したらしい繭にホッと胸を撫で下ろした俺は、再びロッカーの扉に耳をくっつけた。