「ほんと、男二人で何しに来たんだろうねー?」



「もしかして下着ドロボーだったりして!?」



「まっさかー!」



「ってか、マジキモいよねー!」



「うんうん。」



この扉を開ければ、すぐそこには繭。



今すぐロッカーから出て謝りたい。



避けられてる理由を訊きたい。



が、なんてったって今の俺はお尋ね者。



今飛び出せば、そのキモい不法浸入者は俺です!って、繭ところか、この学校中の女子に言ってるようなもの。



いやまぁ、実際不法浸入はしてるからそこんとこはなんも言えねーけど、下着ドロなんてあらぬ罪を着せられるなんて正直たまったもんじゃないし、そんなことしようものなら、一緒にいる恭一に間違いなく殺される。



とりあえずここは我慢だ。



逸る気持ちをグッと抑え、ひとりコクリと頷いた俺は、再びロッカーの外の会話に耳をすませた。