「・・・・・・宮下借りていい?」 先輩の口から漏れたのは、誰も予想していない言葉だった。 「・・・ぇ・・・?」 当のあたしも呆然とした。 「んじゃ。ちょい借りる。宮下競技は?」 「あ、もう終わりましたけど・・・ってきゃっ!」 先輩があたしの腕を軽く掴んだ。