薬師 ―君の傷―




「うめぇ……」



あたしの特製とんかつを食べて、樹はあたしの予想通りの反応をしてくれた。


「でしょ?これ店に出せるレベルだと思うんだよね」


「うんうん、いける。ころなら雑誌載る」


冗談か本気かわからないくらいに樹は誉めてくれ、そのあとは何も喋らないで熱心に食べていた。









「ごちそうさま」


あー、腹いっぱい、と言いながら樹は嬉しそうだった。


「安藤が来る前はコンビニとかカップ麺とかだったからこんなうまいもん食べれてよかったわ」


腹をさすりながらそんなこっぱずかしい台詞を言ってしまう樹。


あたしはまた顔が赤くなるのを感じた。







そして、何の違和感もなく笑う樹にあたしも乗せられていたんだと思う。





だから、間違えた。