あたしたちはただ不器用なだけだ。
本心でぶつかることしかできない母親と、本心を見せられない娘。
あたしがくずにであったのは本当に偶然だった。
くずは、偶然じゃない、と言うが。
あの日あたしはいつもみたいに家を飛び出して、街を夜道を歩き回っていた。
夜だから危険とかそんな考えは無くて、気の向くまま歩き続ける。
いつもの道っても無くて、気分で歩く。
どうせ学校は夏休み中だし、迷子になったって誰かに道を聞けばいい。
お気楽な考えを持つあたしは、どこまでも適当に歩き続ける。
「…あれ?あんなところに鳥居なんてあったっけ?」
まだあたしの行動範囲内で見つけた見慣れないもの。