あの少年が帰っていった後から少し小学生がくるようになった。
あたしはただみているだけ。
何も出来ない。
樹が凄いのはわかったし、ここがファンタジーな世界だってことも分かったし、あたしは本棚の整理に戻る事にした。
「本棚の方行って来る」
「助かる」
店の入り口付近からは小学生たちの無邪気な笑い声が聞こえてくる。
多分今から忙しくなるんだろう。
「だったら俺も手伝ってくるよ」
そう言ってくれた蓮と一緒に、あたしはさっきと同じように書庫にむかった。
「蓮もあんなこと出来るの?」
「ん?俺?できないよ」
「……」
当たり前のように言う蓮に思わず引いた。
「この世界でも樹みたいなことができる人はいないよ」
それを聞いて、樹がすごい人だってのはわかった。
「まぁ、俺は反対してるんだけどね」
蓮が小さな声で呟いた言葉を、あたしは聞き取れなかった。
「まぁ、頑張って片付けようか」
「うん……」
絞りだしたような元気にあたしは怪訝な顔をしたが、蓮の、何も聞くなと言うような雰囲気を感じ取り、何も言えなかった。


