それにしても彼の部屋は淋しい。
物はあたしより多いのに片付きすぎている。
引っ越してからそのままです、ってくらい片付けられている。
「起きろー」
「……」
イラッ
「起きろっていってんでしょーがー!あ?どんだけ寝とんねん!いい加減にせんとぶっ飛ばす」
「……起きる」
ムクリと起きてきた彼は驚いた顔をしているが、今はそれどころではない。
「さっさとご飯食べて」
「うい」
まだ眠そうにしているが、そんなことしったこっちゃない。
あたしは言われたとおりの時間に起こしただけだ。
これで文句を言われても困るんだよなぁ。
「安藤って関西人?」
ご飯中、薬師は恐る恐る聞いてきた。
「人生の半分はね。だから怒るときてか、驚いたときとか出るの」
「へぇ……。朝はびっくりした」
あたしもあんたの爆睡にはびっくりしたわ。
「次からはもっと優しく起こして」
「あんたが一発で起きてくれればなんの問題もない」
「それはちょっと難しいかな?」
ちぇ、めんどくせー。
「ご飯が美味しいなぁー」
棒読み。


