結局考えたってあたしにはわからない、ということがわかった。
薬師が帰れと言えばそこで終わりなのだから。
あたしが彼に執着する理由はない。
クローゼットに服を入れ終え、あたしは本棚に近づいてみた。
昨日は気が付かなかったが、少ないが本が入っている。
しかしどれも古く、埃を被ってしまっている上に、本棚があるのは窓際で、表紙が日焼けしてしまっている。
何冊かは、湿気でビコビコになっているものもある。
「もったいない……」
あたしならこんなことさせないのに。
ちゃんと管理するのに。
なんて考えていたら7時を少しすぎた頃。
「朝ご飯考えてなかった」
と思い当たったが、同時に冷蔵庫の中の現状も思い出した。
「なんでも入ってるんだったなぁ……」
どうせまだ時間はある、冷蔵庫も少し整理しよう。
とりあえず、冷蔵庫にあるべきものではなさそうなフライ返しだったり、調味料だったりを出してみた。
「あらスッキリ」
冷蔵庫の中はかなりすっきりした。
やっぱりこいつらはちゃんと片付けてあげよう。