結局、
「……だったら黙って食べろ」
かわいくないことを言ってしまった。
彼相手に可愛い子ぶる必要はないけど。
薬師はそんなあたしのをみて一度小さく微笑み、また鍋を食べはじめた。
「これからは毎日一緒に食べようねー」
「毎日あたしが作るんでしょ?」
「当たり前」
「ですよね」
そんなの常識だろ?とでもいうような態度。
はやくも慣れてしまった。嬉しくない、こんなことに慣れても。
「あ!朝ご飯の時間になったら起こして。朝弱いんだよね、俺」
朝くらい自分でなんとかしろ。
「……何時?」
反撃はしたら数倍になって帰ってくるだろうから返さない。
「8時に食べられればいいよ」
聞いたことに彼はちゃんと答えてくれる。
母さんはちゃんと応えてくれたことなんかなかった。
「わかった。それくらいに起こす」
「お願いねー」
彼は片付けも手伝わないで食べたら部屋から出ていった。
明日からあたしのこの不思議な場所での新しい生活が始まる。