全てが止まったように感じた。 背中を伝う冷や汗や、動揺を悟られないように、あたしは必死に笑顔をつくる。 「ねぇ、樹。あたしの話を聞いて――」 お願いします。聞いてください。 樹に話を聞いてもらわなきゃきっとあたしは後悔するの。 「……座れよ」 あたしははじめてちゃんと“客”として、店にあるソファーに座る。 ―――――――――――お客様4