どうしょう、お茶でも持っていこうかな……
白々しいかな

そうこうするうちに、2人がリビングから出てきた。


「香奈恵…………」


「凛子、心配かけて、ごめんね。私は、大丈夫だから」


そのまま、香奈恵は、2階に上がっていってしまった。


「母さん、香奈恵、何だって?」


「会わないって。会いたくないって」


私は、少しホッとした。


そんなに簡単に受け入れることなんて、できるはずないじゃない。


母さんは、真知子さんに電話して、そのまま伝えた。


真知子さんもこんな結果になるような予感は、してたんじゃないかな、電話口の向こうで、こらえたように泣いていたという。


そして、次の日、母さんが香奈恵の家を覗いた時には、もう、真知子さんの姿は、なかった。