「香奈恵は、いいわね~」


「何が?」


「女の体に女の心で生まれてこれて。羨ましい…」


「とんでもない!私は、男に生まれたかったのよ。女なんて、損なことばっかし!男がよかった!」


「あら~男なんて、大変じゃない!しんどいことばっかりでさ、女に生まれた方が、絶対、お得よ」


純一郎は、カミングアウトしてから先、すっかり、『女』になっていた。

言葉もあの、ファミレス以来、オネエ言葉だ。


気持ちが開放されて楽になったんだそうだ。

純一郎には、わからないんだよ。

世の中、男女平等、男女同権、男女雇用均等法、なんて色々言ってるけど、結局、そんなものは、『絵に描いた餅』なんだ!

それが証拠に、この日本で、女性が総理大臣になったことないじゃないか!


女性の警視総監がいたか!


純一郎は、わかってないよ!


女は、ツライんだよ!