『凛子!大変!香奈恵ちゃんのお母さんが帰ってきたのよ』


バイトが終わって、携帯を見たら、母さんからの着信履歴があった。


留守番サービスにかけると、慌てた母さんの声が入っていた。

「もしもし、母さん、本当なの?香奈恵のお母さんが帰ってきたって!」


「さっき、みえたのよ、うちに。今、ご自宅に帰られてるわ」

「………」


「とにかく、詳しいことは、凛子が帰ってきてから話すから。今日、早番でしょ?」


「うん、今、バイト終わったから、すぐ帰るわ」


「香奈恵ちゃんは、学校の帰り、バイトよね?」



「うん」


あたしは、電話を切ると、一目散に店をあとにした。