香奈恵の家庭不和


あたしの性同一性障害


『宿業』


そう、ひとことで片付けてしまえば簡単だ。

たまたま、生まれ落ちた所に用意されてた不幸。

不公平な人生

不平等な人生

理不尽な人生


助けて、助けて、助けて

誰か……助けて!


そう叫んでも、なんにも変わらない



香奈恵とあたし



宿業に翻弄されながら、それでも『生きていくこと』に何か、意味を見いだせるんだろうか。

口にこそ、しないけれど、『死』は、何度も頭をよぎる。



死にたいくらい辛いことは、どうやったら、乗り越えられるんだろうか