「ここの店長さんなのよ」


凛子が初めて口を開いた。


「はじめまして。上田香奈恵です」


ヒロさんは、目が合うと、バチンと片目をつぶった。

どうやら、俗にいう、ウィンクってやつだ。

ラクダみたいに、まつげが長い。


「凛子、紹介したい人って」


「そうよ!ヒロさんよ
ヒロさんは、私の大先輩なのよ


(大先輩でも方向性が全然、違う気がするけど)


だが、このヒロさんは、後々、私たちの人生に大きく関わってくるのである。