「凛子!」


「香奈恵、良かった!あたし、今、上がる所だから。ちょっと待ってて、着替えてくるから」


「うん、いいよ。焦らないでいいから」


凛子は、店の裏に入って行った。

店には、凛子の他に、若いサラリーマンと大きなボストンバックを床に置いて珈琲をすする中年の男性、大学生らしき2人組の男の子たちだけだ。

(紹介したい人、この中にいるんだろうか?)

該当しそうなのは、大学生の2人組だけど……

「お待たせ~」


「凛子、紹介したい人って?」


私は、小声で聞いた。