凛子は、高校を1年の2学期の始めで辞めた。

その後、通信制の高校に編入し、精神的には、楽になったようだった。

もちろん、おじさんは、大反対だったけど、おばさんが、凛子の体調などを訴えて説得したらしい。

高校を中退することだけは、黙認したようだった。


「あたしさ、東京駅の珈琲スタンドで、バイトすることになったんだ、香奈恵も暇があったら、飲みに来て」


凛子の従姉妹、桃香が先にバイトしていて、紹介してくれたのだ。

店長は、凛子のことを理解しているのだという。

もちろん、桃香も凛子の良き理解者だ。

「今度の土曜日に行くよ」


「あっ、その日、あたし、2時上がりだから、銀ブラしようよ!」

「了解、じゃあ、2時めがけて、スタンド行くね」