甘い無口な彼氏




そして、私たちの番。
レジの人も、透弥くんを見るなり顔を赤く染めていた。



「キャラメルマキアートを一つ」



…一つ?
え、まさか透弥くんが飲みたかっただけ?


チラッと透弥くんを見ると、透弥くんは私に目線だけ移すと、すぐに目線を戻した。


…でも、まぁちょっと安心。
ただの勘違いだったんだ。

それもそれで悲しいけど。



「…」



よく考えてみると、凄い自意識過剰だ、私。
最近欲張りになってるのかも。



「比奈」


悩んでいたら、透弥くんに呼ばれた。

キャラメルマキアートを片手に、席の方に歩き始めていた。

後ろから刺さるような視線を感じ、すぐに透弥くんのあとを追った。