「と、透弥くん?」 「ん」 透弥くんは表情一つ変えるどころか、口も動かさずに答えた。 私の身長は158cm。 透弥くんは180cmくらいあるだろう。 そんな上から、灰色の瞳で私をずっと見つめる。 「どうかした?」 「いや、別に」 そう言って、透弥くんは私の手を握った。指を絡ませて。 「とっ…!?」 「帰ろ。送る」 そう言って透弥くんは歩きだした。