愛の囁きを[短篇]






「んっ…」



目が覚めた時、部屋の中は真っ暗で、カーテンがしっかりと閉められていた。






私、壱と…
思い出しただけでも恥ずかしくなる。



肩に掛かっているのはブランケット。
きっと壱が掛けてくれたのだろう。






…あれ?壱は?




ブランケットの裾をぎゅっと握り、暗い部屋のあたり一面を必死で探る。







でも何処にも壱の姿はなかった。









誰も居ないでシーンと静まり返るその部屋の中で私がふと思ってしまったこと。




"何で壱は私を抱いたんだろう"








ただの幼馴染のはずなのに
壱は私のことなんて好きじゃないのに



恋。
今まで経験していなかったから勘違いをしてしまっていた。




私が好き=壱が私のことを好き。
この方程式は成り立たない。



「そっか…」





…ただの遊び、か。






幼馴染でいつも一緒。
放課後も真っ直ぐ家に帰る私は壱の丁度いい遊び相手だったのかもしれない。