「光莉、また泣いたでしょ
 目、見たら分かるよばーか」

麻祐はこんなにも無愛想な

私の事に気付いてくれる

いつもそうだ

麻祐と出会ったあの日も

こんな調子で私の事、

気付いてくれたんだ

「泣いてないし」

麻祐は怒った顔をして

あっそ、と言うと鞄を持った

「嘘とか私には通じないからー」

そう言い残して屋上を後にした