「……ふーん。別に黎緒に言う気はないよ。」



『……はっ?』



思わず変な声がでる。



「俺が言っていいことじゃないからな。



お前がいつか言うことだ。」



『………』



分かってる。



いつか言わなきゃ。



進まなきゃいけないって



わかってる。



でも、怖いんだ。



もし、兄貴に捨てられたら………?



兄貴なしで私が生きれるわけない。



捨てられなくても、恨まれて生きるのは嫌なんだ。



だから……、言えないんだ。



一番言いたい人に。