別に、こんなのどうってことない。 お花や押しピンは優斗の机においてるし。 そのたびに優斗は怒るのだけれど。 ……あ、そういや私、雷鬼の姫になったんだっけ? 明日、めんどくさそうだな。 私はふと、空を見た。 ―――晴れだ。 今日も夜の街に出よう。 “月光”になろう。 私は授業をしている渡部を睨んだ。 彼の情報はやはり“あの人”がブロックしているのだろう。 ブロックの仕方が“あの人”そっくりだ。