晴れたある日のこと―――…
『は?』
私の声がいつもより屋上に響いた。
「だから姫になれって」
そう言って指差してくる優斗。
………おいコラ。人に指差すなって幼稚園の頃教えてもらっただろーが!
『姫ってなに』
そもそも私、“姫”って何か知らない
「姫ってのはね、その族が全力で守る女の子のことだよー」
ニコニコしながら言う瑞希。
守ってもらう必要ないんだけど……。
「昨日、澪が倉庫入っていくの、他の族に見られとったみたいで澪を姫と勘違いしてるねん」
『狙われるから、と』
「そうや!やっとわかったか?」
『で、別に守ってもらわなくても私大丈夫ですが、』
私は君たちより強いのだから。



