『つーか、何で私が行かなきゃいけないのよ。』



「連れて行きたいからだ。」



うわ。理由になってない。



『でも―――』



その時、私はある声を聞き取った。



………兄貴の声だ。



兄貴が近くにいる!



もし私が屋上にいるってわかったら鍵返さなきゃ行けないよね。



しかもさっき屋上の鍵かけてなかったし!



足音近づいてくる……!



『……い、行くから!行くから私がここにいたことは兄貴に内緒ね!』



私は雷鬼にそう言い、屋上から飛び降りた。