「ま、がんばれよ〜!」



「じゃあな〜…」



大丈夫かな…。


いや、でも!普通にしてれば普通に話せるよな!



「奏〜!」



「あ、颯先輩!おつかれさまっす」



瀬戸 颯 ( セト ハヤテ )


俺ら野球部の部長!

1つ上の中3の先輩だけど、すげえ話しやすい先輩!


その前の部長の架先輩は、今でもメールしてるくらい大好きなんだ!



「お前、今日はいつもにまして一生懸命だったな〜」



「えっ、そっすかね」



いいことだいいことだって颯先輩は笑う。



「話したいことあったんだけど…今日、一緒に帰れるか?」



「あ、なんか今日輝のいとこと帰んなきゃなんなくて…」



そこはあえて〈すきな人〉とは言わない。



「輝のいとこ!?いたんだな〜。なに部?」



「あ、女の子っす。吹奏楽部らしくて」



「吹奏楽部?今、何年生だ?」



「俺と一緒なんで、2年ですね」



「2年か!俺の妹も吹奏楽部に入ったんだよ!1年だけど」



「そうなんですか?」