何度かいつものメンバーでツバサくんが、うちに来たことはあったけども。

「じゃあ、クルミ?清水くんに迷惑かけんじゃないわよ?」

脅し文句を置いて、私の母は風のように家から出て行った。


逃げ道がない。

そしてツバサくんの静かな笑みが怖い。

少し肌が痛くなるような沈黙を破ったのは、怒りに満ちた笑顔を浮かべたツバサくんだ。


「なんで昨日黙って帰ったの。クルミ、ちゃん?」

背中に尋常じゃない冷や汗が流れる。

笑顔がさらに怖い。

タジタジすることしかできない。