なんだ、この可愛い小動物はっ、と思いつつ何かを考えるふりをし、暫くして親指姫に向かって二カッ、と笑って見せた。 「じゃあ、俺のお願い聞いてよ」 そう言えばビクッと体を震わせた。 先程もこんな感じで連れ出させたんだろう。 分かっていても俺は後悔なんて一切しない。 むしろ笑顔が溢れて仕方ない。 「俺と友達になってよ!」 これが私たちの出会い。 王子の第一印象。 ヒーロー。