車の元へ戻った僕の目の前にある通りを、見覚えのある黒の軽自動車が横切って行ったのである。 確認をする為に走ることさえ忘れていた。 頭の中を嫌な想像が駆け巡る。 そんな悪夢を振り払うように頭を振って頬を両手で軽くはたく。 似た車などいくらでもある。 それに仮にあれが真希を送ってきたサツキという女だとしても、今のところ僕の行動に大した不備はないはずだ。 そう考えることで自分を落ち着せ車内へと戻ることしか今はできなかった。