なぜこの駅を、この場所を選んだのかなど自分でも分からないし、どうでもよかった。
ここが無人駅だろうが都会の高層ビルだろうが関係ない。

ただ、辿り着いたこの場所が僕にとって重要且つ鮮明に記憶される景色になるということを考えると、些か色気がないことは否めないが。

それでも、結局最後まで僕はそういう人間だったということで収めることにした。

徐々に近づいてくる電車のライトが辺りを明るく染める。
その輝きを全面に浴びた僕は、目を細めながら一歩、また一歩と足を運んでいった。


白線の向こう側へと。