到着を告げる乾いたベルの音に体が反応する。
こんな些細な音にさえ驚く今の自分に嫌気がさしながらも、平静を装い自分の車を一直線に目指した。

汗が頬を伝う。
自然と歩く速度も上がっている気がするが、そんなことは考えないようにして周囲を軽く見回した。

どうやらサツキという子は来ていないようだ。



何とか無事に自分の車の助手席へと真希を移すことに成功した僕は、ここで始めて安堵の息をもらす。

これからも問題は山積みなのだがとりあえず一段落と言っていいだろう。