着衣を纏った僕は早々に部屋を後にし、真希を抱えエレベーターで1階へと下っていく。

彼女が返事をしないことをわかっていながら、顔を自分の胸元の真希に向け話しかけ続けた。

生きているように見せることとカメラから顔を隠すことが目的なのだが、死体に話しかけ様は些か抵抗がある。

そんな自分を誤魔化すかのように、優しい笑顔を真希に向かって送り続けたのだがそれでもやはり胸中は、この下手くそな演技と注文したアルコールで酔っぱらったが故に抱えていると思ってくれ…
と、その思いが大部分を占めていた。